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院長ブログ

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大腰筋リリースと頭蓋仙骨療法

 

頭蓋仙骨療法

オステオパシーの中でも、硬膜系と言われる症状に特化した効果を発揮する施術技術に頭蓋仙骨療法(クラニオ・セイクラル・セラピー 通称C・S・T)があります。

 

 

10ステッププロトコール

頭蓋骨の縫合を施術、調整することで脊髄を覆っている硬膜の緊張や引きつれを緩和し、症状の緩和を目指すものですが、この頭蓋仙骨療法を組み込んで、より広範に硬膜系に働きかける施術技術に10ステップ・プロトコール(10段階の治療)というものがあります。

頭蓋骨の調整に加えて脊椎の微細な動きに関わる組織の問題を解消し、硬膜系に関わる症状の改善を目指すのですが、胸郭上口といわれる胸から肩にかけての部位、横隔膜という呼吸に関わる部位、骨盤隔膜といわれる骨盤の中に存在する筋肉群の施術が、頭蓋骨の施術の前段階に加わります。
脊髄を覆っている硬膜のトラブルが、その末端である頭蓋骨のみではなく、脊椎にかかわる骨格、その骨格に付着している筋肉の緊張やトラブルにも起因するという点に着目した施術体系と言えます。

 

胸郭上口

胸郭上口は斜角筋を中心とした首の前側から肩に向けて流れている筋肉、横隔膜は肋骨の下側に存在している呼吸にかかわる大きな筋肉組織、骨盤隔膜は骨盤の中に存在する筋肉群で、脊柱を縦の構造とすると、これらは横方向の筋組織と言えます。
その横方向の筋肉群も脊柱の微細な動きに関与することが想定され、仮にそのような横方向の筋肉群に問題があるとして、それらを少しでも解消することで硬膜の中を流れている脳脊髄液の循環の改善、促進に貢献しようという目的があります。

 

 

硬膜系の施術はオステオパシーの特徴的な体系であり、頭痛、めまい、神経痛、うつ、倦怠感、不眠など、原因の特定できない不定愁訴とよばれる症状に対しても、高い施術実績があります。

当院では、10ステップ・プロトコールをベースにした独自の施術をほぼ全ての患者様に提供させていただいております。

症状としては腰痛や肩こりに代表される筋膜系といわれる症状、先程申し上げた硬膜系といわれる諸症状に大きく分類されますが、それらを共通の施術体系にのっとって施術を進めます。

 

脳脊髄液

頭蓋仙骨療法や10ステップ・プロトコールは、脳内で生成され、脊髄の中を流れている脳脊髄液の循環を改善、促進させる効果があります。

 

第4脳室で生成され、分泌された脳脊髄液は、頭蓋骨のポンプ作用によりゆっくりと脊髄の中を循環しています。
それは、通常は感知されないほどの微細な動きですが、実際に身体の中で行われている重要な生命維持活動のひとつと言えます。
脳脊髄液はゆっくりと静かに脊髄の中を循環し、脊髄の中の老廃物や不純物を回収し静脈に吸収させます。
わかりやすく言うと、脊髄の中のお掃除をしているようなものです。
しかし、そこにトラブルが生じると様々な症状が現れます。それらを解消するのが頭蓋仙骨療法や10ステップ・プロトコールの目的です。

頭蓋骨の動きを触診する際は、頭蓋骨そのものの緊張度を測定する場合と、脳脊髄液の循環による圧力、リズムを測定する場合に大別されます。

 

頭蓋骨の動きの評価

当院で「頭蓋骨の動きが〇△%ですね」などとお伝えしているのは、頭蓋骨そのものの動きです。この場合、頭蓋骨をある方向から押してみた場合に動く時の動きの幅を評価します。

次に、頭蓋骨の自発的な動きを触診しますが、これは頭蓋骨が膨張したり緩んだりといった動きの圧力、リズムを把握することによって脳脊髄液の循環の度合いを評価するものです。

この2種類の頭蓋骨の動きを評価することによって、硬膜に由来する症状の原因をしぼりこんで施術を進めてまいります。

 

大腰筋リリース

大腰筋リリースを施術に加えたところ、特徴的な施術結果が確認されていることはすでに記させていただいた通りなのですが、硬膜の問題も大腰筋リリースによって大きく改善されるということが確認できております。
大腰筋リリースを行なうと、脳脊髄液の循環が大きく促進されます。
頭蓋骨のポンプ作用がより力強く、活発なものになります。

10ステッププロトコールの中で胸郭上口、横隔膜、骨盤隔膜の施術をすると、脳脊髄液の循環が向上することはすでに申しあげたとおりですが、これら横方向の筋肉群の開放に対して、大腰筋は脊柱を縦方向に支えている大きな柱の様なもので、大腰筋リリースはその柱の傾きや問題を開放する方法とも言えそうです。

そもそも大腰筋はみぞおちの辺りからはじまり、骨盤の中を経由して大腿骨の付け根辺りまで伸びている強靭且つ強力な筋肉です。
その大腰筋が脊柱の前面を介して、脊柱内部の硬膜の微細な動きにも関与していることは想定できます。

いずれにしても、大腰筋リリースによって硬膜の働きがより正常化に向かうことはすでに何例もの施術の中で確認できておりますので、今後も硬膜に由来する症状の改善に大腰筋リリースが有効であることを検証し続けてまいりたいと思います。

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