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院長ブログ

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施術家としてのちから

整体施術に携わる私たち施術家、治療家には知識、技術など様々なスキルが要求されます。

 

施術家としての知識

知識としては、解剖学を基本にした骨格、筋肉の構造、機能、内蔵、脳中枢の働きなどと云った身体の仕組みとその働きを全体的にも部分的にも学んでおくことが必要となります。

 

施術家としての技術

技術としては、骨格の変位(歪み)、筋肉の状態、頭蓋骨の動き、脳脊髄液の動きなどを読み取る触診力、その触診力を基盤とした筋肉状態や頭蓋骨、内蔵の動きを正常化させるための施術力が要求されます。

 

施術家としての能力

そして施術の現場ではマニュアル通りの技術だけでは通用しないことが多く、筋肉、筋膜のつながりとその作用、脳機能や内臓機能と症状のかかわりなどにおいて、現場での考察と検証を繰り返し、実践の積み重ねによる症状に対する対応パターンをどれだけ有しているかも問われてきます。
全身の状態と症状の現れている局所との関わり、つまり、全体と部分をどのように考察していくか、これは施術家としての経験がものを言うところで、その経験値が役に立つことが少なくありません。
そして、上手くいった症例よりも、そうではなかった症例に対してどのように向かい合ってきたかが、その後の結果に結びついてきます。

それらの総力が患者様に貢献する施術家としての「ちから」として、施術の現場で発揮されます。
そのような様々な要素の中でも、特に必要なのが施術力、施術による能力です。それは、筋肉の拘縮を緩和させたり、神経の緊張、興奮を抑制したり、脳脊髄液の循環を正常化したりと云った、患者様のお身体に直接的に、あるいは間接的にも働きかけることができるかどうかという施術そのものの能力です。

私はカイロプラクティックを学び、その施術効果に感動を覚え、この仕事の面白さに取り憑かれました。

 

触診力の開発

さらにオステオパシーを学ぶに至り、その施術効果は驚愕の連続でした。
それはカイロのような矯正技術とは異なる、特異な触診力が要求される新しい世界でした。

最初はわからなかった頭蓋骨の動きをとらえることができた時の自身の中で新しい何かが開けたかのような感覚、自動力と呼ばれる内蔵固有の動きをとらえることができた時も、施術家として新しい世界がけたかのような感覚がありました。
それは、知識とは異なる施術家としての能力と言えるものです。

現在、私の施術の主軸となっている「ハンズオン」は、オステオパシーの施術を繰り返しているうちに、独自に開発された技術とは言えない技術です。まさに能力そのものと言った方がいいのかも知れません。
何故、通常の触診ではわからないような筋肉の状態がわかるのか、そして、良好な状態へと導くことが出来るのか、自分でも説明の仕様がありません。

「ハンズオン」で患者様の症状が緩和したり、改善したりし始めた当初、施術家としてまた新しい世界が開けた嬉しさと、その効果のほどに自分自身でも有頂天になってしまい、常にフルに出力した様な状態で施術を重ねていたところ、ある日、立っていることもできないほど身体がとても辛くなり、横になっても身体の辛さは変わらないのだけれど横になるしかなく、施術以外の時はいつも寝ているという状態が1週間以上も続くようなことがありました。
とにかく身体が辛く、それは表現の仕様もないほどのものでした。
やがて、普段通りの体調に戻っていくのですが、同じ様に施術を続けて3か月もすると、同じような状態になってしまう・・・。
こんなことが1年くらい続いて、このままだと、自分の身体がおかしくなってしまうんじゃないかと思っていたのですが、その後、多少、疲れることはあっても、あんなひどい状態になることはなくなりました。

今思えば、通常ではとらえることができない筋肉や頭蓋骨、内臓の微妙な動きを感知する触診力、そして、触診がそのまま施術となって患者様のお身体に対して働きかける繊細な施術法なので、普段は使われていない脳のどこかの部位が異常に酷使されていたのではないかと考えられ、それは、過剰な脳神経労働として脳に強い負荷をかけ続け、やがて、深刻な脳疲労として現れていたのではないかと考えられます。

見方を変えると、私の施術家としての能力、それを使いこなしていくための脳中枢は、このようにして鍛えられていったのものと考えられます。
昔は困難であった負荷に対してもそれなりに対応できるようになり、現場での施術をより効果的にやりこなせるようになりましたが、それは、日々の施術の積み重ねが私自身も知らないところで私自身の脳を鍛え、施術に要する能力を発達させてくれたからなのだと考えております。
そして、施術家としての今の私があるのはあの時の自分自身が健康ではいられなくなるのではないか、という危険を感じるほど(大げさかも知れませんが、当時は本当にやばいと思っていました)の経験を乗り越えてきたからなのだと自負しております。

さて、今現在でも一日に何人もの患者様の施術をさせていただいておりますが、日々の施術はそのまま施術家としての訓練となり、鍛錬となり、トレーニングともなります。
まったく同じ施術でありながら、これまでスムーズに解放することができなかったレベルの筋拘縮があっさり解放できたり、以前であればてこずっていたであろうお身体の不調にアプローチすることができるようになっているのは、日々の施術の積み重ねによって私の施術力が以前よりも上がっているからなのだと思われます。

それは、髪の毛や爪が少しずつ伸びていくようなもので、日々の中ではわからないけれど、長い目でみたらこんなに変わっていたのか、と思うほどの変化になっていることもあります。
これまでわからなかったような筋肉、筋膜のわずかな萎縮、拘縮さえも捉えられるようになっていたり、施術中の筋線維の微妙な弾力の変化に自身の手の動きが追いついていたりします。

今年に入ってから、私自身、腰の調子がよくなくて右の背中のあたりに痛みがありました。
自分で自分の身体を施術することもよくあるのですが、背中に関しては腕をねじって背中を触ろうとするので、どうしても腕に余計な力が入って触診力も施術力も弱くなってしまい、その効果もイマイチだったのですが、ある時、自身で背中の施術をしてみたところ、わずか5分ほどできれいに痛みがなくなりました。
以前の自分ではできなかったことが出来るようになっていたことを、自身の身体を通して確認できた瞬間です。

因みに、症状の残存形跡(症状の戻り)があり、代償作用としての左肩の痛み、以前に手術をしたことのある左膝の違和感もありましたが、副院長である家内にお願いして施術してもらったところ、症状は解消しました。副院長の施術力も確実にアップしています。

「ハンズオン」は施術者の手を通じて患者様のお身体に働きかける独特の施術法です。
それは、現場で実践を重ね続けていく限り、その経験を糧にして向上し続けていくものと考えられ、私の施術家としての「ちから」は、今後もこのまま衰えることなく上がり続けていくものと思います。

施術家としての「ちから」を上げ続け、これからもひとりひとりの患者様に対して、より一層の貢献をして参りたいと思います。

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