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院長ブログ

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私のめまい体験記 ・その2 ★頭蓋仙骨療法★顎関節★福岡市西区早良区の整体院 ハンズオンセラピージョウ

 

めまい体験記・その1はこちらから

 

 

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エプリー法の実践

めまいの原因となっている耳石ですが、カルシウムでできた粉のようもので動かすことで徐々に砕かれて無くなっていきます。

ですので、良性突発性頭位めまい症の場合、安静にする方が多いと思われますが、そうすると耳石が動かなくなってしまい、いつまでたっても耳石が移動することも砕かれることもなく三半規管の中にとどまってしまうということになるので、積極的に身体を動かして耳石を動かしまくった方がよい、ということになります。

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頭の位置をどんどん変えて耳石を三半規管の外に追い出してしまう、というエプリー法という理学療法があります。
めまいと吐き気が続く中、自分の身体で試してみることにしました。

すると、頭の位置をある角度に持っていくとグワ~ンと激しいめまいが・・・。
30秒から1分すると収まるので、次の位置に変えてみると、又々、グワ~ン・・・。
これは、三半規管の中の耳石が動いている状態ということです。
こんな感じで、三半規管の中に入り込んでいる耳石をどんどん動かします。

施術の最中に起こる激しいめまいと吐き気で最悪の状態の中、「こりゃ、面白い」と、施術家特有の好奇心が刺激され、数回、エプリー法を実践してみたところ、施術中、頭の位置を変えることによるめまいは軽くなっていることに気がつきました。

「耳石が動いたのかな」

そう思いましたが、完全にめまいが収まったわけではありません。
この場合、続けて試みる方がよいとのことで、翌日もやってみました。すると、頭を動かす度に起こっていためまいはなくなって、特定の動きをした時にのみ、めまいが生じる状態に変わりました。

再度、耳鼻科に行ってお医者さんに自分でやってみたことを伝えたら、「自分でやってみたの?あれ、結構、角度とか難しいんだよね」と言われ、検査では、前回、起こっていた眼震も起きていなかったので、エプリー法が有効であることが確認できました。
「大丈夫そうだから、このまま、しばらく様子を見てみましょう」と、特に処置されることもなく帰りました。

 

耳石以外によるめまいの可能性

随分軽くなったものの、仰向けから起き上がる時に、まだ、ハッキリとしためまいがあります。

今回のめまい体験で不思議なことがあって、仰向けになった状態で耳をさわっただけでグワ~ン・・・と激しいめまいが起きたり、耳たぶを軽くもんでみただけでもグワ~ン・・・と、やはり激しいめまいが起きることがありました。

これは、耳石とは別の問題が身体の中に起きているんじゃないか?
仮にエプリー法で耳石が動いていたとして、それが解消、もしくは緩和されたとしても、それ以外の問題が残っていてめまいが残っているんじゃないだろうか?と、考えました。

その時、左側の顎に強い違和感が常に感じられていました。

これまで何人ものめまいの患者さんの施術をさせていただき、高い確率で症状を改善させてきた経験から、オステオパシー療法の理論から自身のめまいを考察してみることにしてみました。

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エプリー法によってめまいは随分と軽くなったのですが、仰向けの状態から起き上がる時などに、グラ~ッとくるめまいは残っていました。

三半規管に入り込んだ耳石のしわざ?であることは間違いないのですが、それ以外にも今回のめまいの原因があるのではないか?と考えました。

 

頭蓋骨変位によるめまい

当院では、これまで何人ものめまいの患者さんを施術させていただいており、実際に症状が改善した実例が数多くあります。
めまいの方は、頭蓋骨の動きが固くなっていたり、重くなっていたり、首の筋肉が抱縮していたり、顎関節に何らかの問題が起こっていることが多く確認されています。

頭蓋骨は何枚もの骨がパズルのように組み合わさって構成されていて、脳脊髄液の循環、波動に伴って、肉眼ではとらえる事ができないほどですが、ゆっくりと少しずつ、まるでポンプのように動いています。

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オステオパシー療法の中で、特異的な手技である頭蓋仙骨治療(クラニオ・セイクラル・セラピー)では、めまいの原因を頭蓋骨の一部、耳の奥にある三半規管が収まっている部位である側頭骨のトラブルとしてとらえています。

めまいが起こる要因として、三半規管が収まっている側頭骨の動きが、何らかの原因で頭蓋骨全体の正常な動きに反して、固くなってしまっていたり、重くなっていることが考えられます。
要するに、頭蓋骨、その中でも側頭骨に変位、歪みがあるという考えですね。

頭蓋仙骨療法のページはこちら

 

筋肉トラブルによるめまい

側頭骨の運動制限が起こる原因としては、側頭骨と連結している首の筋肉や、顎関節の筋肉が何らかの原因で固くなって側頭骨を強く牽引してしまい、その動きを小さくしてしまっているからではないかと考えられます。

側頭骨は左右の2対構造で、もし、片側の側頭骨が歪んだり、傾いたりすると、内部に収まっている三半規管の左右のバランスが崩れ、バランスを調整するべき役割を持つセンサーそのものにイレギュラーが生じてしまうのではないか、とも考えられます。

又、脳脊髄液の循環が低下すれば、三半規管を満たしているリンパ液の循環も低下するものと考えられ、頭蓋骨に起こっている運動制限や歪みを改善することが、症状の改善につながるとも考えます。

今回の私のめまいでは、症状が出ている間、左の顎に著しい違和感が続いていました。

前回の記事でも書き込んだ、耳をさわってみただけ、耳たぶをつまんでみただけでめまいが強くなるという現象は、側頭骨とめまいに何らかの関連があることを示しています。

頭蓋仙骨理論にのっとって、自身を施術してみることにしました。
まずは、頭蓋骨の動きを妨げているであろう、周辺筋群の解放です。

 

筋膜リリースによるめまいに対するアプローチ

まずは首の筋肉の調整。左側筋肉群に抱縮があり。筋膜リリースを試みます。

次に顎関節。咬筋という顎の大きな筋肉の中に、翼突筋という筋肉があり、わかりやすく言えば、顎を前後、左右にスライドさせる役割があります。食べ物を奥歯ですりつぶす様な動きの時に活動する筋肉でもあり、内側翼突筋と外側翼突筋の2種類があります。

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翼突筋がめまいに関与しているのではないかと考えていましたが、この翼突筋をねらって、顎関節にストレッチをかけてみたら、グワ~ン・・・。めまいが生じました。
これは、顎関節がめまいと関与していることを明確に示しています。

翼突筋が何らかの原因で抱縮、つまり、固くなってしまい、側頭骨を引っ張ってしまい、側頭骨の運動制限をもたらしていたのではないか?ということが考えられます。
左の顎に感じられていた強い違和感も翼突筋の著しい緊張によるものと考えられます。

翼突筋は咬筋の奥にあって、直接に触れることはできませんが、ハンズオンで調整することが可能です。
ストレッチとハンズオンで調整を試みました。

すると、左顎の違和感が無くなると、それまで残っていためまいがほぼ無くなりました。
その後も、左顎に違和感が生じると若干のめまいが現れましたが、自身の施術で顎の違和感が無くなると、めまいも解消して、スッキリした状態に戻れるようになりました。

ハンズオンのページはこちら

 

頭蓋仙骨療法による側頭骨の動きの触診

頭蓋仙骨療法で側頭骨の動きを診てみると、左右でねじれたような動きが確認され、調整を進めていくと左側の側頭骨の動きが右側よりも小さいけれどもねじれた動きではなくなり、最終的には左右均整のとれた動きに変わりました。

 

めまいが生じやすくなる可能性

元々、三半規管が強い方ではなく、乗り物酔いも起こしやすかったのですが、左顎関節には10年以上前から少し違和感があって、それが、今回のめまいの要因のひとつとして挙げられます。
そう言えば、めまいが発症する数週間前から左上の奥歯に妙な違和感が感じられていたし、食事の時に口の中の左側を「ガリッ」と噛んでしまうことが何回かありました。

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これは、咬合、つまり、噛み合わせの問題であるのかも知れませんが、めまいが現れる数週間前から既に左の顎に何らかの異変が生じ始めていたことを物語っています。
又、めまいが発症する1週間前、私のライフワークである武術の練習で組み手(実際の攻防練習)を行なったのですが、顔面にパンチをもらってしまった時にその衝撃で耳石がはがれたとも考えられるし、元々、問題が生じ始めていた左顎の筋肉にアクシデントによるトラブルが生じたとも考えられます。

いずれにせよ、発症から3週間で当初のひどいめまいは収まり、現在は、左顎の状態と共に生じるわずかなめまいを調整しながら、問題のない日常生活を送っています。

エプリー法を試みても、頭の位置を変えることによるめまいは現れなくっていることから、耳石による三半規管の誤作動は収束しているようです。
となると、今後は顎や首の筋肉の抱縮から生じる頭蓋骨の運動制限に注意する必要がありそうです。

今回の私のケースでは、三半規管への耳石混入、側頭骨の変位の両方の原因で症状が現れていたので、それぞれに対する処置を段階的に試みることができたのは正解であったと思います。
耳石を追い出す理学療法を自分自身の身体で試みて、その効果を体感できたこと、顎関節のトラブルがめまいの原因として確認できたことで、施術家としての引き出しを増やすことができたようにも思います。

めまいは、症状によっては脳梗塞などの重大疾患である場合もあるので、まずは病院で医師の診断を受けられることをお勧めします。
良性であれば耳石を追い出す理学療法が適応となるし、頭蓋骨に問題があればオステオパシーの頭蓋仙骨療法が適応となります。
私自身の経験から、段階的にそのような処置を試みるのも有効であると考えます。

今回のめまいも、まるで自身の身体を通して施術家としての見識を広げるための経験を積まされているかのような体験でした。
自分自身の経験すべてを糧にして、施術の現場で患者様に還元していきたいと思います。

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