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院長ブログ

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肝臓と体性機能障害

お身体全体の調子の良し悪しと肝臓が深く関わっていることは前回にコメントしました。

 

体性機能障害

体調の良し悪しとは別に、腰痛や肩こり、肩などの関節の痛み、いわゆる体性機能障害と言われる症状にも肝臓が関わっていることがあります。

肝臓はお身体の中央から右側の肋骨の下側にあります。

 

肝臓と肋骨

肋骨は呼吸のために常に開いたり、閉じたりと動き続けていますが、肝臓が疲れて重くなったり硬くなりすると、肋骨の動きに少なからず影響することがあります。
そして、肋骨自体がねじれたり、歪んだりといった状態になると、その影響が肩や首、腰にまで及ぶ場合があり得ます。

そもそも肝臓は体重の50分の1もの重さを占める臓器で、成人男性では1.5kgほどの重さがあります。その肝臓が右側に位置しているということは、身体は右に傾きやすいという特徴を持っているということでもあります。
陸上のトラック競技で走る方向が反時計回りであるのは、走って加速した状態では、右側に位置する肝臓の重さによる遠心力が働くので、時計回りに比べて高い記録が出やすいためであるからです。

そのような臓器の重さによる人体の左右差は誰でもあるのですが、本来は柔軟な肝臓が疲れて硬くなってくると、肋骨を介して身体のあちこちにその影響が及ぶこともあり得ます。

以前に突然に右肩に激痛が現れ、右腕をまともに挙げることができないという男性の方が見えられたことがありました。
五十肩のように腕の関節の問題であると考えられ、肩周辺の筋肉や骨格の状態を調べてみましたが、これといった異常が見当たりません。
ところが、肝臓を触診するとまるで石のように硬くなっています。
実はこの患者さん、治療室に入ってくるなり顔も真っ赤でお酒のにおいがしていました。連れてこられた奥様のお話しによると、慢性的なアルコール中毒で一日中お酒を飲んでおり、この日もだいぶ飲まれていたとのことでした。
ともあれ、肩の痛みをどうにかしなければいけません。1時間かけて肝臓の施術を行ない、肝臓の硬さがなくなってきたら、「あ、痛くない。腕も挙がる!」と、痛みもなくなり、腕も挙げることができるようになりました。
しかし、あまりにも肝臓の状態がひどかったので病院に行ってみることを勧めたのですが、結果、肝硬変の一歩手前と言われ、飲酒を止める様に言われたとのことです。

これは極端な例ですが、肝臓の状態が肩関節の動きに影響することを示す症例です。

硬くなった肝臓によって、肋骨の動きや形態に問題が生じ、それは肩ばかりでなく、首や腰にも影響を与えることが十分に考えられます。

肝臓の施術を行なうということは、お身体全体の状態を引き上げると同時に、腰痛や肩こり、その他様々な体性機能障害の要因のひとつにアプローチしているわけで、それらの改善にもつながるものと考えられます。

当院ではすべての患者様に肝臓の施術を行ない、より確実に体性機能障害からの回復を目指します。

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