ハムストリングスと外旋六筋
股関節には外旋六筋と呼ばれる6種類の筋肉があり、歩行や走る際に股関節を安定させる役割があります。
外旋六筋
股関節外旋六筋は、梨状筋、上双子筋、下双子筋、内閉鎖筋、外閉鎖筋、大腿方形筋から構成されており、骨盤と大腿骨を連結する役割と主に大腿骨を外旋(外側に回す)させる機能があります。
走る際やジャンプして着地する時などに股関節に体重がかかりますが、その際、大腿骨に内旋(内側に回す)しようとしますが、これは脚が内側に傾いて非常に不安定な状態です。
この時、外旋六筋が共同して働いて大腿骨を外旋させるような力を発揮して股関節が過度に内旋して不安定な状態になるのを防いでいます。
あまり不安定な状態が繰り返されると股関節や膝の痛みの原因となるので、外旋六筋の役割は大変重要と言えます。
運動と支持
ハムストリングスがバネやスプリングのように働いてくれる筋肉だとすれば、外旋六筋はハムストリングスがバネやスプリングの機能を発揮していくために股関節を安定させてくれる役割を担っているのです。
なので、走る時やジャンプるする時はハムストリングスと外旋六筋は同時に働いていて、支えるということと動くということを同時に行なっています。
筋肉の同時収縮
このような筋肉同士の連携、連動によって走る、跳ぶと云った動きが成立していますが、これは筋肉同士の同時収縮による筋拘縮を招くと思われ、ハムストリングスが拘縮していると外旋六筋のいずれかが拘縮していることが多く、ハムストリングスの拘縮を解放しようとする場合、外旋六筋の施術を行なうとハムストリングスの拘縮が大きく緩和されます。
梨状筋の施術
特に梨状筋が拘縮していることが多く、ハムストリングスの施術を行なう場合、梨状筋の施術を行なうことによって双方の拘縮が大きく緩和されるようです。
このようにして、その筋肉と連動する筋肉の拘縮を発見して施術することでより確実に筋拘縮を緩和させることが可能となり、症状の軽減、解消につながります。
前回、コメントしたようにハムストリングスは座り続けることによって拘縮しやすい部位でありますが、連動する筋肉のケアを行なうことによってより確実に筋拘縮を緩和させることができます。
自身でケアしていく際もこのような点に着目して行なうと、より効果的なセルフケアができるのではないかと思います。