座り続けることとハムスリングス
前回の記事でコメントした、現代人の抱える座り続けると云うことによって筋拘縮を招きやすい筋肉があります。
ハムストリングス
それは、太ももの後ろ側の筋肉であるハムストリングスです。
ハムストリングスは走ったり歩いたりする際に機能する、運動するための筋肉と言えます。
伸張反射能力と言ってハムストリングスがバネのように働いてくれることで走ったり、跳んだりすることが可能となり、運動に取り組む人たちにとってはその機能をいかに引き出せるかが運動家としてのパフォーマンスを大きく左右します。
しかし、強靭でありながらその強靭さゆえに故障を伴うことも多々あり、そのケアがとても重要です。
そして、座る続けることによって筋拘縮が起こりやすい筋肉でもあります。
バレエやヨガ、新体操などと云った柔軟性が要求される運動などに取り組まない限り生活の中だけではハムストリングスに限らず、筋肉の柔軟性が要求されることはありません。
特にハムストリングスはその強靭さゆえに固くもなりやすく、デスクワークや車の運転によって拘縮してしまう部位です。
座り続けることによって生じる筋拘縮
座り続けるということは筋肉の収縮運動がほとんどなくなっているという状態であり、筋肉の活動自体が低下している状態です。
これが日々繰り返されることによって、あらゆる筋肉が委縮、拘縮していき、そのしなやかさが失われ、運動するための器官としての役割を果たさなくなっていきます。
特にハムストリングスは座っている間中、自身の太ももの重さで圧迫されたような状態を余儀なくされ、血流の低下を招き、軽いながらも血行障害に陥りやすく、本来しなやかであるはずの状態がそうではなくなります。
そして、拘縮したハムストリングスは骨盤を後方に引き下げてしまい、後傾した骨盤によって身体全体は前側に傾きやすくなり、あらゆる場所の筋肉が二次的に拘縮しやすくなります。
実際にデスクワーカーや車の運転を長時間されるお仕事の方は、ハムストリングスに特徴的な拘縮があることが多く、それが、姿勢の問題の一因となっています。
座り続けることは腸腰筋の拘縮も招きやすいけれど、同時にハムストリングスの拘縮も招きやすく、両方のケアが必要と言えます。
当院においては腸腰筋と共にハムストリングスのケアを行ない、あらゆる症状の予防に備えたいと思います。