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院長ブログ

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座り続けるということは?

長時間のデスクワークや車の運転による腰痛や肩こり、首の痛みで当院を訪れる方が後を絶えません。

デスクワークや車の運転によって、長時間座り続けるというライフスタイルを余儀なくされている我々ですが、長い時間座り続けるということについて考えてみたいと思います。

一日に何時間座ったまままでパソコンに入力したり、何時間も車を運転したりと云ったことが今や当たり前になっていますが、こんなに長い時間、座り続けて何かの作業するということは人類史上、非常に稀なことと言われます。

 

採取狩猟民族であった私たち

今から何十万年も前、私たちの祖先は元々、採取狩猟民族で石斧や槍を持って獲物を追いかけまわしたり、木の実や果物などの食料を探しては毎日毎日、歩いたり走ったりしていました。
その日その日を生き抜くために一日中歩いたり、走ったりして一日の移動距離は少なくとも30キロ以上はあったと言われます。

その後、農耕文化が発達して比較的安全確実に食料を得ることができるようになってからも、移動手段は自分の足のみで、江戸時代の人たちが旅をする時などは最長で一日60キロもの距離を歩行だけで移動していたと言われます。

 

文明の発達は最近のこと

時計の針を人類史に置き換えてみると、機械文明が発達して現在のような生活を送れるようになった現代は夜の11時半くらい、インターネットが始まって情報環境がガラッと変わったのは、ほんの一秒くらいであると言われます。

ということは、座り続けて何かをやり続けるというのは、大草原を一日中走り回っていたかつての私たちの祖先からすれば人類史上、非常に珍しいことです。

私たちの身体の中には一日中、走り回っていた祖先の遺伝子、記憶がどこかに残っているはずです。
私たちの祖先の視点から見てみると、現代人の座り続けて何かをし続けるというのは非常に不自然な行動と言えるのではないでしょうか?

 

不自然な行動?

祖先の遺伝子を持つ私たちの身体にとって、長い時間、座り続けて何かをし続けるということは不自然であり、そのような行動、生活を送り続けることは何らかの変調が起こりうる可能性を持ち合わせていると言えます。

世界的ベストセラーである「運動脳」「スマホ脳」の著者である精神科医、アンデシュ・ハンセンは「現代人の脳は未だサバンナの中にいて、大草原を駆け回っている」と言います。
脳科学者としての観点から現代人の抱えている様々な問題を提起していますが、特にここ数十年の生活様式の大きな変化は現代人の身体にとっても大きなギャップをもたらしていると言っています。

人間は動物であり、身体は運動をするように動かすようにできていながら、あまり身体を動かさないでも済むような生活を送り続けることを余儀なくされています。

 

使わないことによる変化の代償

これは、使うべき筋肉を使わないでいることによる運動機能の低下現象を招いており、昔であれば生活することがそのまま運動することであった人類が時間を作って、時にお金を払ってまで自身に運動を課していく必要のあると云う、ある意味不自然な現代を生きています。

座り続けることによる脳機能の変化はこれから何十万年もの先の人類に新しい進化をもたらしているのかも知れませんが、今はまだ過渡期であり、人間の運動機能は本来のそれとはそぐわない退化の道をたどっているのかも知れません。

座り続けることによって筋肉の拘縮が進みやすく、姿勢の変化がおこりやすく、それが定着しやすい環境に置かれていることを自覚して自身の身体を退化させない働きかけをしていかなくてはならないと考えます。

整体師として現場で施術を行なう者としては、座り続けて作業をし続けることによるリスクを回避するために日ごろからの運動はもとより、デスクワークや車の運転の際の姿勢には注意を払うべきだと考えますが、それでも、拘縮してしまう部位もあります。

それは次回にお話ししたいと思います。

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