民族特性
日本人は腰痛や肩こりになりやすいと言われますが、これは民族としての特性であるとも言われています。
今回は民族特性について考えてみたいと思います。
生活環境による適応変化
住んでいる地域の気候や風土によって、生活環境によるお身体への負担は変わります。
暑い地域、寒い地域、雨期のある地域等々・・・。
暑い地域では、身体全体は細身になって体幹に比べて手足は長くなることで体内の熱を外に放散しやすい体型になります。
反対に寒い地域では、身体全体がガッチリして手足が太くなって熱を体内に保存しやすい体形になると言われます。

またチベットなどの高山地帯では酸素が薄くなるので、胸郭が大きくなることで呼吸の際により多くの酸素を取り込みやすくなるような体形になると言われます。
様々な環境の中で生き抜くために身体が適応して変化していくのですが、それができなければ環境に適応できずに病気にかかりやすくなったりして亡くなってしまいます。
環境に適応して変化を遂げた人たち、またはそのような因子を持つことができた人たちが次の世代にバトンを渡していけるのです。
このような適応変化はその次の世代から次の世代に引き継がれて2世代くらいで体形の変化がなされると言われます。
実際に結婚などで高山地帯に移住するようになって、移住した人の体形はそれほど大きく変化はしないとしても、その子供、孫くらいの代で胸郭が大きく発達した体形となり、高山地帯での生活に適応できる体形になるとの報告が民俗学研究者の間では上がっています。
このような気候風土に適応しようとする変化の他に、生活様式による体形の変化もあります。
生活様式による適応変化

もともと、人類は採取狩猟民族として何十万年もの間生きてきたのですが、ある時点から道具や火を使えるようになり、農耕文化を獲得することによってより確実に安全に食料を得ることが出来るようになりました。

結果、狩猟と農耕を行なうようになり、大きく分けてふたつの労働能力を発達させる必要が出てきました。
狩猟に際しては獲物を追いかけて跳んだり走り回ったりする能力、農耕においては長時間同じ姿勢で単純な作業を行なえる能力であり、そのような労働能力に適応しやすい体形を獲得する必要が出てきたということです。
骨盤の前傾と後傾
狩猟に適応した体形は骨盤が前傾してハムスリングスの伸張反射能力を発揮しやすい体形であり、走ったり跳んだりするのに適しています。
農耕に適応した体形は骨盤が後傾気味で農作業の際に長い時間、中腰などの同じ姿勢で細かい作業を行ない続けることのできやすい体形であると言われます。

これは長い間、引き継がれてきた民族としての特性であり文明が発達した現代でも色濃く残っています。
スポーツにおける民族特性
スポーツの世界では陸上やマラソン、バスケットボールなどの競技ではトップレベルの選手は圧倒的に黒人が多く、これは狩猟民族の特性によるものであると言われます。

話がそれますが、レスリングや野球、ラグビーなどのパワー系は白人が多く、卓球やフィギアスケート、体操などの運動の巧緻性が求められる競技では黄色人種の台頭があるようです。
そのような民族特性による体形や姿勢の特徴は何世代にもわたって引き継がれてきたものであり、日本人の多くは農耕民族としての特性を持っており、骨盤は後傾とまではいかなくてもそれに近い姿勢になりやすく、身体が前に傾く姿勢になりやすい特性を持っているのではないかと言われています。
そのような民族特有の姿勢の特徴により、腰痛や肩こりになりやすいのではないかと考えられます。
そのような民族特性を踏まえて陥りやすい姿勢の特徴、起こりやすい筋肉のトラブルを考察して日々の生活の中で注意していく必要があるのかも知れません。
引き継がれる民族特性
戦後、日本人の生活様式や食生活は大きく変わり、現在の世界レベルのスポーツ界での日本人選手の活躍などを見ても、世代間において引き継がれる適応変化現象が起きていると感じずにはいられません。
体形的には欧米人に引けを取らない日本人も現れており、実際に世界的に活躍しているスポーツ選手も多く存在します。
現在の生活様式の大きな変化はこれからの何世代かで我々の子孫に少なからず変化や影響をもたらしてくれるのでしょう。
しかし、私たちの身体の中に眠っている民族特性はこれからも引き継がれていくということは忘れないようにしておきたいものです。
