腎臓の施術
私の施術では必要に応じて内臓の施術を行なうことがありますが、数か月前からある患者様の施術がきっかけとなって、腎臓の施術を行なっております。
病院の検査で腎機能の数値に問題があることを指摘された方であったり、喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状でお困りの方の場合に施術させていただいております。
腎臓は肋骨の下側に隠れており、直接に触診することは出来ません。
内臓マニピュレーション
しかし、オステオパシーの内臓マニピュレーションであれば施術することが可能です。
内臓マニピュレーションの施術法は2種類あって、直接法と間接法があります。
腎臓の施術の場合は間接法と呼ばれる自動力の調整を行ないます。
内臓の自動力
自動力とは、通常考えられる内臓の動き、例えば心臓の脈動、肺の収縮、胃の扇動運動などとは異なる内臓固有の動きです。
それは、それを理解した施術者にしか感じることのできない特有の動きであり、内臓に存在するエネルギーの動きとも言えるものです。
私も最初は理解できなかったのですが、ある時にこの自動力を理解できるようになり、以降、施術の現場で用いております。
フランスの医師であるジャン・ピエール・バラルという人が始めた治療法ですが、このような内臓の動きが何故、存在するのか、何故、私に理解できるのかわかりません。
しかし、過去に肝臓、胃、肺、膀胱、腸などの内臓の施術をした際に患者様の症状が軽減したのは事実であり、その経験から必要に応じて施術させていただいております。
仙骨の変化
腎臓の施術においては、はっきりとその症状が変化した事例は少ないのですが、腎臓の施術を行なうと、その後に仙骨の変位が生じることがあり、そのことが患者様のお身体の中に何らかの有意義な変化が起こっているものと考えられ、必要と感じたら施術させていただいております。
アレルギー症状に対して
腎機能の問題以外にも、アレルギーの方の場合は副腎の機能低下があると考えられます。
副腎は、位置的には腎臓に上に乗っているような臓器です。
腎臓とは別の臓器なので、腎臓とは役割も違うし別々の臓器ではありますが、内臓マニピュレーションの自動力としては、腎臓の施術を副腎に対する施術としても行なっています。
腎臓の施術によって副腎に対してもその働きかけが出来ているかどうか、現段階では答えは出ておりませんが、施術後の仙骨変位を中心にその効果を検証しています。
仮に副腎の機能低下があるとしたら、機能が回復して症状が変化していく過程に少し時間がかかります。
これは副腎は怠け者の臓器と呼ばれるように、一度、機能低下した腎臓がその働きを取り戻して症状が改善していくのには時間がかかるからです。
なので、症状の変化はもとより腎臓の施術によって仙骨の変位が生じることが、腎臓や副腎に働きかけることができているかどうかの指標になります。
硬膜の施術に対する指標として
仙骨は両側に腸骨、上には脊柱があって勝手に簡単にその位置が簡単に歪むようなことはないと考えられます。
仙骨の変位が頭蓋骨の変位、脊柱硬膜のひきつれや緊張によって生じているから、頭蓋仙骨療法によって頭蓋骨の変位が解消したり、硬膜の問題が解消した場合に仙骨変位が解消したり変化したりすると考えます。
内臓の施術に対する指標として
なので、仙骨変位の変化が頭蓋骨や硬膜の施術ができているかの指標になっていたのですが、内臓マニピュレーションによっても仙骨が動くということは大きな発見でした。
何故、このようなことが起きるのかは分かりませんが、内臓マニピュレーションがうまく働いているかどうかの指標になります。
これからも必要に応じて腎臓の施術をさせていただき、その効果を検証していきたいと思います。