院長ブログ

「糖質中毒　痩せられない本当の理由」牧田善二著　（文塾春秋　780円+税）

 

糖尿病を専門とする医師からの現代人の食生活に対する警告の書と言えます。

ダイエットを始めても元に戻ってしまったり、中々痩せることが出来ないといった人達の脳の中で何が起こっているのか。
現代日本の食生活は動物として必要なのだけれども、飽食の時代と言われる文明社会に生きる人間である私たちにとっては健康を害する要因となり得ること。

食べるということが何の苦労もなく手に入れることが出来る現代では、食べ過ぎてしまうこと、それそのものが薬物依存やギャンブル依存といった止めたくても止められない中毒症と同じものであることが記されています。

この本では文明が起こる以前の大昔は何日も食べることが出来ない日が続いたり、そもそも、ご飯やパンといった炭水化物はおろか、果物以外に砂糖などの甘いものなど手に入らない世界で私達の祖先は日々を生きていた訳で、そのような過酷な大昔の狩猟生活の中で生き抜いていくための遺伝子情報が現代では過食という生活習慣になっているという現実を教えてくれます。

これまで私が読んできたダイエット本とは違い、現代人の置かれている状況を実にシビアにとらえ、その危うさを教えてくれる本です。

ダイエットに取り組まれている方、糖尿病でお困りの方のみならず、現代人は是非ともご一読するべき本だと思います。

食べることに対する考え方が変わってくれるきっかけになるのではないかと考えます。