セルフケア
前々回、私達には民族特性として筋拘縮を起こしやすい箇所があることをコメントしました。
筋膜リリース
そこで、拘縮しやすい場所を知っておいて自身で筋膜リリースを行なうことが肩こりや腰痛の予防として有効です。

ただし、自身で筋膜リリースを行なう際には注意するべき点がいくつかあります。
筋膜リリースの注意点
筋肉をほぐそうとして、筋肉に対してぐりぐりと円を描くように刺激を加えることはNGです。
筋膜リリースを行なう際、筋肉に対しては垂直に圧を加えていきます。
ある程度、持続的に圧を加え続けていくと筋肉の硬さが少し緩むので、そこから少し深く入り込んで同じように持続圧を加えます。
この繰り返しで少しずつ筋肉の層の浅い部分から深い部分へと侵入していきます。
3段階くらいで筋肉の深部に到達したら、同じように少しずつ同じくらいに時間をかけて元の状態に戻っていきます。
このように施術するのは、筋肉中の毛細血管に対して垂直に加圧することによって毛細血管を圧縮し、次に段階的に解放することによって毛細血管の弾力を回復させて血流を改善するという目的があるからです。
一旦、圧縮された毛細血管が次に解放される時には、そこに大量の血液が流れ込んできます。
つまり、毛細血管の血流に対するポンプ作用を回復させるということです。
筋膜リリースには筋膜の柔軟性を復元させるという目的と、毛細血管の弾力の回復という目的があるのです。
傷つく筋膜と毛細血管
なので、硬いからと言ってぐりぐりと円を描くようにほぐしてしまうと、筋膜や毛細血管を縦方向に伸ばした状態から横方向に引っ張りまわすことになり、その組織が軽いながらも損傷してしまう、つまり、傷ついてしまいます。
傷ついた組織は代謝作用によって回復するのですが、その刺激に対して耐性を作ろうとするので、わずかながらでも筋膜や毛細血管が硬く再生してしまいます。
横方向に引っ張られて、破れたりほころんだりした組織が「こりゃいかん」とばかりに、自分自身がその刺激に耐えられるようになるために少しずつ固くなっていくようなものであり、マッサージシンドロームとはこのような現象です。
最初は軽めのマッサージでよかったところがそれでは満足できなくなり、少しずつ強い刺激を求めるようになり、最終的にはかなりの強さでほぐしてもらわないとスッキリしないというような状態になってしまい、それも、毎日のように施術を受けていないといけなくなる状態です。
これは、外部からの刺激によって筋膜や毛細血管の損傷と再生が軽いながらも繰り返され、結果的には筋膜の硬化が進んでしまった状態です。
実際、過去に身体が凝って仕方がないという患者さんで、聞けば、最初は週1回くらいマッサージを受けていたけれど今は毎日のように強めのマッサージを受けている、という方もいました。
適正な刺激であれば、それほど頻繁に施術を受けなくてもよい状態になるというのが本来の理想です。
そうならないのは施術の方法に問題があるからです。
セルフケアとしての筋膜リリース
自身で筋膜リリースを行なう際も、筋膜に対して加圧する方向と圧の加え方は守るべきルールがあり、それさえ守りさえすれば実に有効なセルフケアとなってお身体が楽になります。
筋膜リリースの基本ルールは、押圧する場合でもグリッピングと呼ばれる筋肉を指でつかむような方法でも、筋肉に対して垂直に圧を加えるということと持続圧です。
現在、筋膜ローラーをはじめとした色々な筋膜リリース用のグッズがありますので、それらを上手に使いこなすことで自身のセルフケアを手軽に行なうこともできます。
私の場合、1日5分から10分くらい、自身の身体の中で拘縮しやすい箇所に対して筋膜リリースを施しますし、週1回は1時間くらいかけて全身の重要なポイントをほぐしています。
個人的にはボールを使ってほぐすのが好きですね。

皆さんもテレビや動画を見ながらでいいので、手軽に、しかし、正しいセルフケアを行なって自身の体調管理をされることをお勧めするところです。
