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院長ブログ

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顎関節と全身の関係

前回までに顎の筋肉についてコメントしてまいりましたが、顎関節の特徴について考えてみたいと思います。

 

特徴的な関節

顎関節は頭蓋骨からぶら下がっているような構造で、左右両側に関節があって同時に動くという、人体の中でも実に特徴的な動きをします。

 

咬合調整

全身の様々な症状の原因が顎関節にあるとして、咬合の調整を行なうことで全身に起こっている様々な症状に対応しようとされている歯科医師の先生もおられますが、この点は歯科医師の中でも肯定派と否定派に意見が分かれるようです。

従来の歯科医的な考えとしては上下の咬み合わせの山と谷を合わせることに咬合調整の目的がありますが、咬合によって何らかの症状の改善を試みるとなると、単に山と谷が合っていればよいというものではないようです。

咬合調整によって生じる立っている時の重心の位置の変動や、筋肉の緊張状態の変化を計測しながら最適な咬合を探し出すという作業が必要になる様です。

 

整体手技療法としての顎関節に対するアプローチ

整体手技療法の分野では、咬み合わせによる顎関節の状態を把握することはできませんが、顎関節に存在する筋肉の状態を触診して把握することは可能です。

 

体幹バランスの補正能力

腰や首、肩の筋肉の拘縮によって体幹のバランスが変化した場合、先に述べたような顎関節の構造的な特徴から、頭蓋骨からぶら下がっている顎関節が微妙にその状態を変化させることで、体幹のバランスに対して補正するような働きをするのではないか?
顎関節に存在する筋肉の緊張度が変化することで、顎関節が全身のバランスの不具合を補うような働きを行なっているとは考えられないか?

このような仮説を立ててみると、咬み合わせの不具合によって全身の筋肉が影響を受けて様々な症状が現れてくるということや、その反対に、全身の筋肉の問題が顎関節に現れてくると云ったことが考えられます。

実際に歯医者さんに行って、歯を抜いたり削ったりしたら腰痛や首や肩の症状がなくなったという人もいれば、反対に腰痛や首、肩の症状が現れるようになったという人もいるようです。

 

整体手技療法としての顎関節の調整

整体手技療法の立場としては咬筋、内側翼突筋、外側翼突筋、側頭筋といった顎関節の筋肉の状態を触診して施術を行ない、症状の変化を観察することは可能です。

拘縮している筋肉を緩和させて本来の状態に回復させることを目的としていますので、施術すること自体に何ら問題はないと言えます。

 

顎関節の動きの特徴

顎関節は食事の際に、前歯で食べ物をかみちぎったりする動きと、奥歯で食べ物をすりつぶしたりする動きがあり、左右どちらかの顎が動く際にもう片方の顎も同時に動くという、全身の関節の中でも特徴的な動きを持っており、右の顎関節が左の顎関節に影響することも、左の顎関節が右の顎関節に影響することも考えられ、内側翼突筋が側頭筋に影響することも、側頭筋が内側翼突筋に影響することも考えられます。

そのため、以前にコメントしたように内側翼突筋の施術によって側頭筋の拘縮が緩和されることも起こり得るし、顎関節の筋肉の状態が変化することで補正を受けている全身の筋肉の緊張バランスが変化することも起こり得ると考えます。

 

顎関節と全身のつながり

なので、顎関節と全身の筋肉は常に関係しあっていると言えます。

当院の考え方としては、顎関節は全身の状態が反映される重要な部位のひとつとしてとらえますが、顎関節のみに原因を求めるのではなく、全身の構造や機能のひとつとしてその現象をとらえていきながら、他の部位と同様に顎関節の施術に取り組んでまいりたいと思います。

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