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院長ブログ

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身体のゆがみと筋肉

前回、大腰筋の施術によって重度の側弯症が軽減するといった内容のコメントをしました。
今回は身体のゆがみそのものについて考察していきたいと思います。

私が学び始めた30年前、従来の整体手技療法の世界では、身体のゆがみやずれに対して骨格の矯正を試みるといった考え方が主流でした。

 

カイロプラクティック

私が最初に学んだカイロプラクティックもそのような発想に基づいており、骨格のずれやゆがみを矯正することによって神経の圧迫を取り除き、症状の改善を試みるというものでした。
椎骨のずれを触診して検出し、飛び出している骨を瞬間的に押し込んで正常な位置に戻すといったもので、スラストテクニックとかアジャストメントテクニックと言われる技術を主に学びました。
施術の対象は骨であり骨格に対するアプローチが主体で、わずかですが瞬間的な力を用いるので職人的な技術力を要求されるものでした。

 

オステオパシー

その後に学んだオステオパシーでは骨格のずれやゆがみは検査しますが、手技は全て筋肉、筋膜、硬膜、内臓といった軟部組織に働きかけるもので頭蓋仙骨療法(クラニオ・セイクラル・セラピー)、カウンター・ストレイン、マッスル・エネルギー・テクニック、筋膜リリース、内臓マニピュレーションなど、手技自体に職人的な技術は要求されないもので、中には形を覚えさえすれば素人の方でも安全かつ簡単に施術することが可能なテクニックもあり、それいでいて実に高い施術効果を発揮するものでした。

 

オステオパシーにおける身体のゆがみに対する考え方

オステオパシーでは骨格が勝手にゆがんだりずれたりするということはなく、骨格を支えたり動かしたりする役割のある筋肉が何らかの原因で緊張、拘縮してしまい、骨格を引っ張り続けることでゆがみが生じるという考え方でした。
なので、引っ張っている筋肉の緊張、拘縮がなくなれば骨格は本来の正常に位置に自然と戻っていくといったもので、筋肉、筋膜に対するアプローチも実にソフトなものであり、一切の危険性やリスクを感じさせるものではありませんでした。

この考え方は、施術に100%の安全性を求めていた当時の私にとっては実に新鮮であり、お身体のゆがみはこのような筋肉の拘縮によって形成され、それが痛みや不調などの症状の原因であるとの考え方はこの頃に定着しました。

骨格がずれたり、ゆがんだりすることによって神経根の圧迫や筋肉の拘縮が生じるといった考え方とは真逆なもので、筋肉の拘縮によって骨格のゆがみが生じるというもので、その原因である筋肉の拘縮を取り除こうというものです。

 

原因に対する考え方によって変わる施術

身体のゆがみに対してどのようなとらえ方をしているかによって、アプローチの仕方は大きく変わります。
それは骨格を対象とせずに、筋肉、筋膜を対象とすることによって、より、その原因に近付いた解決策を模索することができるようになり、安全性の高い施術を提供することが可能となります。

そしてそのようにして施術にあたっていくと、骨格のゆがみに対してより専門的な考え方が生まれます。

 

身体のゆがみの原因

脊柱の下部領域に関与する大腰筋、腸骨筋、脊柱の上部領域に関与する斜角筋をはじめとした頸筋群、肋骨に関与する肋間筋、横隔膜、骨盤後側に関与するハムストリングス、肋骨と骨盤をつないでいる腰方形筋、肩甲骨の動きを左右する菱形筋、前鋸筋、ローテーターカフ筋群などの骨格筋、身体の右側に位置する肝臓、脊柱深部の硬膜の緊張や引きつれに関与する頭蓋骨のトラブルなどがお身体のゆがみの原因であるととらえ、これらに優先順位をつけながら施術を進めることが可能となります。

優先順位をつけて施術を試みることによって、ここがだめなら次にここ、ここが不十分そうならばこの部分と云ったように、段階的に施術を加えるなどの対策が容易になります。

当院ではお身体のゆがみの原因は軟部組織であると考え、そこにアプローチを試みるという施術方針を持って施術にあたっていきます。

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