内側翼突筋とめまい
私がめまいを発症して自身の施術で克服したことは以前にブログで申し上げたとおりです。
側頭筋と内側翼突筋
その際に内側翼突筋の施術が有効であったことは事実なのですが、何故、内側翼突筋の施術が有効であったのか?
めまいの原因が三半規管のイレギュラーであり、三半規管が内蔵されている側頭骨の変位であるとするならば、内側翼突筋よりも側頭筋の関与の方が大きいのではと思われます。
側頭筋は噛む時に作用する筋肉ですが、側頭部から下顎の内側に付着している筋肉で内側翼突筋よりも大きく、その力も強く、この筋肉が拘縮するなどのトラブルを起こしたら側頭骨に影響を与えることは容易に推察されます。
頭蓋仙骨療法を用いるオステオパシーでは側頭骨の変位、つまり歪みがめまいの原因であるとされています。
私がめまいを発症した際にも実際に問題であったのは側頭筋だったのかも知れません。
めまいと内側翼突筋
しかし、実際に触診した際に強烈なめまいに見舞われたのは内側翼突筋です。
めまいになった際に顎の下から指を押し入れてみて、そこにある筋肉を押すと強いめまいが起こりました。
そこでこの筋肉がめまいに関わっていると確信したのですが、それが内側翼突筋でした。
めまいの原因が三半規管のイレギュラーであり、その原因が側頭骨の変位であるとするならば、側頭部に大きく付着している側頭筋に問題があると考えられますが、私自身が施術してめまいが改善したのは内側翼突筋です。
なので、内側翼突筋が直接にめまいに関わっているのではなく、内側翼突筋の拘縮が側頭筋の緊張に関わっていて、それが側頭骨の問題となって三半規管のイレギュラーとしてめまいを発症するのではないかと考えます。
わかりやすく言えば、側頭筋の問題を内側翼突筋の施術によって解消したのではないかということです。
再発しためまい
ブログで公開したとおりに、内側翼突筋を中心とした施術によってその時のめまいはなくなったのですが、その半年後くらいに再び、めまいに襲われました。
ある時に頭を大きく動かしたらグワーンとめまいが起こり、以降、頭を動かすたびにめまいが起こります。
「あの時と同じだ」
この時は対処法がわかっていたので、あまり慌てませんでした。
以前と同じように内側翼突筋を丹念に施術したら、めまいは3日くらいで収まりました。
内側翼突筋の施術
この時も施術の中心は内側翼突筋で、側頭筋は全く施術していませんでした。
顎の内部を施術するとしたら内側翼突筋の一部か、外側翼突筋の一部になります。
側頭筋は側頭部から触れることはできますが、この時点では顎の下に付着している部分に対しては施術することは出来ていませんでした。
ちなみに、顎関節症の場合は外側翼突筋の関与があると思われるのでその施術は必須となります。
互いに作用する筋肉
側頭筋と内側翼突筋は互いに作用しあう関係にあるのかも知れません。
だから、内側翼突筋の施術によってめまいが緩和するのだと思います。
理論が先にありきでなく、経験上、このような仮説が正しいということになります。
このような現象が施術の現場では多く現れます。
当院においては、めまいを改善していくためには内側翼突筋の施術が必要であり、すでに何人もの患者様の症状が改善していった事例からもこの仮説は間違っていないと考えます。
めまいの予防
そのようにしていくと、過去にめまいを発症したことがある方の場合、めまいが発症していなくても内側翼突筋に拘縮が現れていたら、めまいが再発する可能性があると考えられます。
なので、時々、内側翼突筋のチェックをしてその状態を把握しておくことが必要であり、内側翼突筋に拘縮があれば速やかに解消しておくことがめまいの予防につながると考えます。
私も最初のめまいが解消してから安心してしまい、何もしていなかったら半年後くらいに再びめまいにおそわれたのですから。
現在は毎日のように内側翼突筋の状態をチェックして、そして自身の内側翼突筋を施術することでめまいの再発を防いでいます。
もう、あんな辛い思いはしたくないので。
めまいを経験したことのある方は何らかの原因で発症してしまう要因があるものと思われますが、それは、内側翼突筋が拘縮しやすいという骨格上の特性を持っているのかも知れません。
しかし、そのような特性を理解して対策を施すことで予防することは十分に可能です。
当院では施術の現場において、めまいの経験がある方に対しては内側翼突筋の点検と必要に応じてその施術をさせていただいており、めまいの発症を未然に防ぎ、快適な生活を送っていただけるように心がけております。